2016年06月02日

『スクープのたまご』 大崎梢

大手出版社の週刊誌編集部に異例の転属を命じられた入社二年目の信田日向子。

週刊誌編集部の構成、仕事内容、外部のライターやカメラマンとの関係など、内情もおもしろい。特に外部ライターのベテラン村井がいい味わいを出しています。

連続殺人事件の指名手配犯の保護司を訪ねて、新潟の山奥まで出張するヒナコに、親切に手を差し伸べてくれる民間のご夫婦。

行方不明の女子高校生のバイト先を追って、駅ビルのテナントめぐりをする際に、重要なヒントをくれるショップ店員。

週刊誌の仕事の泥臭さを描いていますが、それでも現実よりは美化されていると感じます。スクープを追って張り込み、親類友人のコメント集めなど、仕事は地道で、あまり役には立たないことばかり。しかし、実際はもっとえげつないでしょう。

他人のプライバシーに土足で踏み込むことの多い仕事ですから、心身ともにタフではないとやっていけません。

童顔で、たまたま、そこそこの大学に入ることができ、たまたま大手出版社に就職したヒナコのお仕事小説ですが、全部を肯定することはできません。純真無垢なキャラクターの主人公がすんなりえげつない仕事に馴染むのに、違和感があります。

警察にはできない犯罪捜査が週刊誌にはある、と最後はキレイにまとめるのですが、これくらい味わわないとやっていけない仕事であることも確か。






posted by かつき at 08:23| お仕事小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする