2016年02月23日

日本への重要な警告@『ブレイクアウト・ネーションズ 「これから来る国」はどこか?』

著者はモルガン・スタンレーの新興国市場担当ディレクター。自らの足で各国を歩き、その国の空気、経済、人々の気質を肌で感じたリアルなレポートをまとめ上げたのが本書。

中国、インド、ブラジル、メキシコ、ロシア、ポーランド、チェコ、トルコ、東南アジア、韓国、台湾、南アフリカ、スリランカ、ベトナム、ナイジェリア、ペルシャ湾岸各国を取り上げています。

さらにコモディティの未来予測も。

レポートは2011年当時のものですが、文庫版には2013年に発売されたペーパーバック版のエピローグが付帯され、その後の各国の事情も付け加えられています。


日本ではあまり知られていない第三世界はもちろんですが、寡占企業に苦しめられるメキシコ、為替、金融政策、資本移動がままならないブラジルなど、ある程度経済発展している国のジレンマも紹介されており、これらの国がなぜブレイクアウトしないのかがわかります。

しかし、本書で本当に耳を傾けなければいけないことは、日本に向けられた言葉です。

「日本は、2004年にはすでにクレジットカードに代わる決済手段として液体電話を用い始めていたが、このコンセプトを世界ブランドに発展させられなかった」

「日本の島国的、閉鎖的なテクノロジー文化は、カリフォルニアからフィンランドに至る、世界各国のハイテク産業の開放的なスタイルとは好対照をなしている」

「日本が輸出国として停滞している理由のひとつはこれである。日本の研究開発費の70%近くが、新規ビジネスではなく既存のビジネスをターゲットにしているのだ」

そしてこの現状に日本人が満足しているのが、いちばんの原因となっています。

「そこそこ」で満足しているのはわかっています。

でもそこから何かをなさないと、「そこそこ」には踏みとどまれない。あっという間に凋落するでしょうし、国の借金からくる経済破綻が目の前に迫っています。


目次
プロローグ
第1章 長い目で見れば何でも正しい?
第2章 宴の後――中国
第3章 誰もが驚く魔法のローブ――インド
第4章 神様はきっと、ブラジル人?――ブラジル
第5章 「大立者」経済――メキシコ
第6章 天井にしかスペースがない――ロシア
第7章 ヨーロッパのスイートスポット――ポーランドとチェコ
第8章 中東に響く単旋律――トルコ
第9章 虎への道――東南アジア
第10章 金メダリスト――韓国と台湾
第11章 エンドレス・ハネムーン――南アフリカ
第12章 第四世界――スリランカからナイジェリアまで
第13章 もうひとつの宴の後――コモディティ・ドットコムを超えて
第14章 「第三の降臨」――次なるブレイクアウト・ネーションズ
エピローグ
謝辞
付録A:新興国一覧
付録B :フロンティア諸国一覧
訳者あとがき
解説/吉崎達彦
参考文献






ラベル:時代を読む
posted by かつき at 09:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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