2015年03月07日

いちばん初めに海に飛び込む:『ファーストペンギン 楽天三木谷浩史の挑戦』 大西康之

ネット通販事業楽天市場から、旅行、証券、カード、銀行、電子書籍、動画配信、メッセージング・サービス、EC向けキャッシュバック・サービス、モバイルなど、さまざまな分野のコングロマリット企業に成長した楽天を追うノンフィクション。

ネットと融合性の高い分野を果敢に取り入れてきた三木谷社長を、ファーストペンギンに例えています。シャチがいるかもしれない氷の下の海に飛び込む最初のペンギンは、リスクを冒して道を切り開く開拓者、起業家です。

楽天の創業エピソードはもちろん、楽天イーグルスの立ち上げや成績不振でも経営は黒字という球団経営、初優勝から一転、二重価格問題などの裏側に迫った臨場感のあるルポルタージュです。

三木谷社長は天才起業家らしい側面と、礼儀正しく、人望の集まるリーダー格という側面が同居する魅力ある人に感じられました。

日本を席巻してきた楽天が、今後、世界に打って出る布石を着々と打っている買収も描かれ、これからの楽天の狙いも知ることができます。

日本の企業が世界に後れを取っている現在、このように世界を見据えている新産業が出てきたのは本当に勇気づけられます。


bard_happybird.gif 本書でチェックしたところ
楽天市場に出店している4万2000点の9割以上は全国津々浦々にある中小・零細企業だ。地方や地域に埋もれている「名店」をインターネットの力で「銀座4丁目」に引っ張り出す。これが、三木谷が楽天市場を立ち上げた時に掲げた「エンパワーメント(元気づけ)」の理念である。織田信長の「楽市楽座」の現代版だ。

日本には「イノベーション」を誘発する資金の出所が少ないのだ。国が支援するのは主に「インベンション(発明)」のための基礎研究である。だだ、発明ばかりして特許件数を貯め込んでも、それを事業に結び付けなければ国の競争力は上がらない。

孫(正義)はペンギンではなくシャチである。(中略)
「あのリスク感覚は真似できないなあ」
2兆円規模の買収を二度もやってのけた孫について、三木谷は言う。シャチは孤高の存在であり、ペンギンのリーダーにはなれない。

マクネリーは堅実で優秀な経営者だったが、この世界で生き残るためには、誰よりも早く、誰よりも大きくなることを怠ってはならない。シュミットがサンで学んだのは「安住せず、リスクを取り続けろ」ということだった。

大きな成功を収めた経営者の隣には常に名参謀がいる。


bard_happybird.gif 目次
第1章 天国と地獄――イーグルス優勝と二重価格問題
第2章 ファースト・ペンギン――失敗を恐れるな
第3章 電撃的連続買収――世界よ、これが楽天だ
第4章 冒険者たち――ネット世界一の旗の下に
第5章 受け継がれるDNA――創業世代から新世代へ
終 章 ファースト・ペンギンの育て方





posted by かつき at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 起業・経営・商売繁盛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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