2014年03月15日

『スコールの夜』 芦崎 笙

男女雇用機会均等法施行後、大手都市銀行に
第一期女性総合職として入行した吉沢環。
女性初の本店管理職に抜擢されるも
任命された総合企画部の関連事業室長は
会社の汚れ仕事もこなさなければならないハードな職掌です。

男社会の典型の金融業界で奮闘する女性総合職という
主人公は、東大法学部という学歴をもってしても
会社の組織にはなかなか入り込めない。

ガラスの天井を初めて突き破った環に課せられたのは
直系子会社――しかも本社からさまざまな理由で
転籍せざるを得なかった社員の受け皿会社の解体と
200人の社員解雇。

ガラスの天井や男性たちの見えぬ仲間意識、
それに入れない女性社員、女性だから出世する逆差別など
女性総合職の悩みは、まさに環と同世代で
総合職として働いていた経験もある私にとっては
今更な感じを受けました。

それが世間の人にとっては新鮮というのにも
頭を抱えたくなります。

女性総合職を切り開いてきたのは
男女雇用機会均等法を政治家に決めさせた女性先輩の力ですが
その後に続く世代も悩んでいるのに――。

一方、忠実で公平な部下・斎田、総合経営企画部の上司越谷部長、
解体される子会社の安原常務、菊田総務部長、
顧問弁護士の石田など人間関係もおもしろい。

自分探しのようなカンボジア訪問は少々残念でしたが
このような小説を通して、女性管理職が働きやすい職場が
少しでも増えてくれればいいなと思います。






ラベル:お仕事小説
posted by かつき at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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