2014年03月13日

『森を見る力 インターネット以後の社会を生きる』 橘川幸夫

『ロッキング・オン』『ポンプ』など時代を引っ張る雑誌を創刊、
編集してきた著者による、時代を切り取る提言集。

「木を見て森を見ず」という言葉があるが
今は「木どころか、枝の先や根っこだけを見て、木すら見ていない。
ましてや森といった全体像を俯瞰できる力があるだろうか」と
疑問を投げかけます。

生きる力、若者、コミュニティ、団塊世代、組織、企業、
家電メーカー、イオン、セブン―プレミアム、政治、
ニート、モンスター、書店、ブックオフ、電子書籍、テレビ、
ゲーム、音楽、ジョブズ、インターネット、SNS、池上彰、
原発、アーティスト、表現活動、未来フェスなど
多岐にわたる話題を取り上げます。

歴史から掘り起し、現在起きている問題の根本を問いただし
解決に必要なものを丁寧に解説します。

この人の語りは物語になっていて、読みやすいし、頭に入りやすい。

私も電子書籍を使い始めましたが、これは危機感から。
今、小学校で電子書籍の教科書を使っている世代が
10〜15年後、社会に出てきたとき、当たり前のように
本は電子書籍だと認識していると思う。
紙の書籍は特別のものか、古いものになっています。

そんな彼らといっしょに働くことになったとき
さまざまな価値観、仕事のスピード、情報の取り扱いなどの差が
出てくると思う。彼らと同等にとは思わないけれど
せめてついていけるようになっていたい。

橘川さんも「間違いなく電子教科書は普及する」と言います。
そして「その教科書で学んだ人が社会に出てくるとき
本格的な電子書籍時代が訪れる」と。

そのほかの話題もおもしろい。
それをどう活かしていくか、考えたい。

bard_happybird.gif 本書でチェックしたところ
いますぐ役立つための学問を浮世系、いますぐ役立たないが、人類の大きな視点に立てば意味のある浮世離れ系の学問があるのだよ。この2つを融合するというなら分かるが、最初から間違った分類をしている文科系と理科系を融合しても意味がない

教育というのものが、「子どもたちを学校に預けて育ててもらう」というものから、食事や選択と同じように社会的なサービスの一環として受け取られるようになり、親たちも消費者として学校という教育サービスにクレームをつけるようになった。

これからの社会においては、人は何かしらの「生産」に関与しないと生きていけなくなるのではないか。

見えない価値=やすらぎのようなものを対価として考えることが出来ないと、工業化社会の次の時代ではビジネスが成立しないのではないか。具体的な「量」に価値を置く時代から、見えない「質」に価値を置く時代へとシフトしていくのだろうから。

膨大な石の中に数少ない玉があるということなのだ。しかも、その玉の価値は、人によって変わってくる。

これからの社会はインターネットのシステムを前提として、その上部構造に新しいコミュニティを作らなければならないと考えている。未来フェスのような、小さなイベントを成立させるために「クラウドファンディング」のシステムを活用することにした。


bard_happybird.gif 目次
序章 森を見る力
第一章 戦後社会の中で変質したものは何か
第二章 不安定な時代のアイデンティティ
第三章 メディアの現在
第四章 インターネットが何をしたか
第五章 3・11 以後の社会
あとがき 追悼・林雄二郎さん






posted by かつき at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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