2014年03月06日

『下町ロケット』 池井戸潤

お金と夢の天秤のバランスはとれてるだろうか。

大田区の中小企業佃製作所社長・佃航平は
かつて宇宙科学開発機構でロケットの研究を行っていました。
ロケット打ち上げに失敗し、引責辞任し、家業につきました。

大手取引先からの取引中止、
あくどい大手ライバル企業からの訴訟、
特許の穴、頼りにならない顧問弁護士と
中小企業を取り巻く厳しい環境と事態が次々に佃を襲います。

それらを一つひとつと奮闘中、
国産ロケットの開発製造を手掛ける巨大企業から
特許技術の買収話が持ち込まれます。

そのお金があれば――。

しかし技術者としての夢を見る佃は
新たな夢をその技術に賭けます。

社長としての経営力と研究者としての技術力。
二つの間に挟まれた彼は、社員からも突き上げを食らいます。
それでも彼が諦めません。

仕事っていうのは、二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は、飯を食うためだ。必要な金を稼ぎ、生活していくために働く。だけど、それだけじゃあ窮屈だ。だから、仕事には夢がなきゃならないと思う。それが二階部分だ。夢だけ追っかけても飯は食っていけないし。飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。


そんな社長の下で働く者は、どんな夢を見るのか。
それも本書の読みどころです。

銀行から出向してきていて、立場としては
佃製作所を厳しく監督しなければならないはずの殿村が
要所要所でいい味を出します。

会社の規模は関係ない。
こんな夢を見られる仕事がしてみたい。
胸が熱くなります。

自分の今の仕事の夢はなんだろうと振り返りました。

第145回(2011年)直木賞受賞作。






ラベル:お仕事小説
posted by かつき at 17:15| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。