2014年01月13日

『経済成長って、本当に必要なの?』 ジョン・デ・グラーフ&デイヴィッド・K・バトカー

経済成長しなかったら、どんどん貧乏になって
衣食住にも不自由するようになるし、
子どもに教育だって受けさせてあげられないかもしれない。
そもそも子どもをつくることもできないんじゃ?

というイメージを抱いていましたが
経済成長しなくても、そこそこの賃金をもらい
その分、自由になる時間が増え、
自分の時間や家族、近隣、友人と過ごすことができる。
そこには「幸福感」が満ちている。

そんな道筋を世界のリーダーたちの言葉や
ブータンのGNH(国民総幸福量)、
アメリカやヨーロッパの経済の歴史を振り返りながら
構築しようとする意欲に満ちた経済書。

「経済成長できないから」という消極的な選択ではなく、
人間本来の暮らしや人々との交流を大切に考えた時に
選ぶ経済の道筋を示す経済書です。

また、現在の豊かさの指標であるGDPの問題点を指摘します。

驚くことに働く時間が短いからといって
生産性が下がることはまれで、むしろ制限されることで上がる。
その分、早く帰宅し、育児や家族の時間、ボランティア、
趣味などの時間がとれるといいます。

最終的には金融政策、政治に対する提言ですが
個人として幸せな経済の選択を考えるきっかけにもなります。

「お金がない」といっても生活できないわけじゃない。
本当に必要なものだけでシンプルに暮らすこと。
手づくりを楽しんだり、本物を買ったり
意義あることに投資すること。

私自身、発想の転換時期で
こういう経済書に惹かれるようになりました。

bard_happybird.gif 本書でチェックしたところ
「最大幸福を最大多数にできるだけ長期にわたって」もたらす

ブータンの幸福を評価する9つの「領域(ドメイン)」
1 心理的幸福
2 身体の健康
3 時間の使い方(仕事と生活のバランス)
4 地域の活力、人と人のつながり
5 教育
6 文化の保護、利用手段、多様性
7 環境の持続可能性
8 よい統治
9 物質的豊かさ

北欧には「みんなこの社会で一緒に生きている」という感覚があり、公正さや分け合うことを高く評価する。

「オランダ人が一人当たりGDPを最大にしようと考えていないことというのは本当だ。むしろ、高い生活の質と、社会で参加型の持続可能な社会の実現を目指している。オランダ経済は、国民一人当たりの労働時間数は多くないが、労働時間当たりの生産性がきわめて高い。

人類は、個人の規模でも地球規模でも脅威に直面していて、新たなよりよい経済への移行はもはや待ったなしだ。

規制をなくしてすべてを市場に任せるレッセフェール経済学は死に絶えていた。(中略)その教義は、「経済は成長しなければならない、さもなければ衰退する」というものだ。



bard_happybird.gif 目次
ジェームズ・グスタフ・スペスによる序文
まえがき
第一章 GDP 国民総生産
第二章 幸福の追求
第三章 人々によい生活を提供する
第四章 膨大なコストをかけても不健康
第五章 暮らしの不安
第六章 時間に追われる
第七章 最大多数にとっての幸福
第八章 能力(キャパシティ)の問題
第九章 持続可能性
第一〇章 アメリカ経済の歩み
第一一章 よい時代がいつなぜ悪くなっていったのか
第一二章 住宅、銀行、融資、借金、破産、差し押さえ、失業、通貨・・・収拾のつかない混乱
第一三章 二一世紀の経済――生命と自由と幸福のための経済
謝辞
訳者あとがき
参考文献






posted by かつき at 16:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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