2012年01月23日

『あきらめない 働くあなたに贈る真実のメッセージ』 村木厚子

郵便不正事件でキャリアを断たれそうになった
厚生労働省の官僚村木さんによる
女性が仕事を続ける上でのアドバイスと
逮捕、拘留、裁判、無罪判決までを綴った本。

まずは彼女の生い立ちから仕事につくまで、
そして労働省(当時)に入庁してからの仕事論が
本の半分を占めます。

特別やりたい仕事やかなえたい夢があったわけではなく
ただずっと仕事をしたい、と思っていた彼女。
等身大で、身近に感じます。

自分探しをついしてしまいますが
当時は四大卒の女性が就職できる先も限られていたので
選択肢も少なく、ずっと働けるところも少なかった。
そんな「普通の人が仕事を続けていくこと」が
もしかしたら夢だったのかもしれません。

そして彼女は「普通の人のロールモデルになりたい」と
仕事を続けて、仕事の知識やノウハウ、
家事や育児との両立を、いろいろな女性と共有してきました。

彼女は「普通の人」というけれど
かなり優秀な人なのでしょう。

でも、その仕事論はキャリア官僚特有のものではなく
どんな仕事にも共通します。

「今すぐに解決しないことでも、あきらめないでいると、
どこかの時点で修正できることは案外多い」

(夫に)「今も何かにつけて「すごい!」とやたらと褒めることにしている」

「共働きでダブルインカムという形態は将来のリスクヘッジになると
思うようになりました」

「階段を一段上がると、見える景色が変わる」

とても率直で真実味のある言葉にホッとします。
時間、言葉、将来への希望など、味方につけられるものを
自然に身につけている。そんな印象です。

キャリア官僚は入庁してしまえば自動的に昇進しますので
キャリア論とは無縁ですが、子連れ赴任や出張、
子どもの発熱、病院通いの時のノウハウ、リスクヘッジなども
子育て中の人には参考になるでしょう。
奇をてらったものではなく、もしかしたら
ありふれているアドバイスかもしれません。
でも真似しやすい。

またリーダーとして彼女は「調整型の上司」。
強いリーダーシップよりも、いろいろな意見を集約し、
調整するのが得意なので、それを活かしています。

そんな彼女が事件に巻き込まれ、逮捕、拘留、裁判、
無罪判決まではドキドキ。
彼女は常に冷静に対処します。
パニックに陥らないのはすごい。

無罪を証明することをあきらめず、検察の意地悪な質問や
作られたストーリーに屈しない彼女のなかの芯は
人とのつながり、前向きに考える力、家族の存在。
それは仕事で活かされてきた彼女の資質です。

確かに働くお母さんとしては、ごはんも作らず、
洗濯もせず、尋問時間以外は全部自分の時間なんて夢のよう。
そこで164日間に150冊の本を読んでしまう。

このポジティブさ。勤勉さ。

普通の人でも仕事をすることで得られる
人との繋がり、キャリア、ポジティブシンキング。
それを再認識させてくれる本です。

bard_happybird.gif 本書でチェックしたところ
「ずっと仕事をしたい」と思っていましたが、不思議と、特別にやりたい仕事や叶えたい夢があったわけではありません。もっと根本的なところで、「学校を卒業したら大人。自分の生活は自分で支えなくてはならない」と考えていたのだと思います。

今すぐに解決しないことでも、あきらめないでいると、どこかの時点で修正できることは案外多い

教授は、「個人の仕事の射程距離」を説明するために、黒板に、横軸にジャンルが違うAからEまでの仕事、縦軸にその仕事に携わった年数を入れた図を書きました。そして、「一人の人間が、Aに一年、Bに一年、Cに一年、Dに二年、Eに五年携わったとき、その人の仕事の射程距離は、AからEの仕事を五年分携わったのと追暗示だけの大きさがある」というのです。つまり、どれか一つだけでも深く携われるものがあれば、その人の仕事のキャパシティーはぐんと増す、仕事は広く浅くでよいのだ、と。

彼女はとてもプロ意識の高い方で、子どもと接する時間の少ない私にも「お母さんはあなたよ」と意識させてくれました。

(夫に)今も何かにつけて「すごい!」とやたらと褒めることにしています。

数年間辛抱すればいいのであれば、「時間はお金で買おう」が夫婦の合い言葉でした。

長女、次女と、出産・子育てを経験する中で忍耐力がついたからかもしれません。「そうか、子どもを産むということは仕事にもプラスになるんだな」ということを実感しました。

共働きでダブルインカムという形態は将来のリスクヘッジになると思うようになりました。女性も一人でしっかり食べていける、そして税金も保険料も納めて社会全体を支えていく、そういうことが求められる時代だと思います。

判断の物差しは、「私が自分で責任を負えるかどうか」です。


bard_happybird.gif 目次
第一章 「あきらめない心」の原点
 人見知りだった私が労働省に入るまで
 がむしゃらだった20代
 結婚そして出産、子連れ赴任

第二章 仕事の軸が見えてきた
 女性たちのネットワークに助けられて
 家族の絆
 仕事で生きた育児体験
 昇進のススメ
 つながって見えてきた自分の仕事

第三章 逮捕、勾留を支えたものは
 逮捕そして勾留されて
 心のつっかい棒は娘たち
 折れない心の秘密

第四章 釈放・復職、そして今後のこと
 やっとすべてが終わり、復職へ
 今、思うこと

[巻末資料] 勾留生活164日間を支えた149冊 全リスト

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posted by かつき at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | デキる女の仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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