2012年01月17日

『脱原発社会を創る30人の提言』 池澤夏樹・坂本龍一・池上彰など

東京電力福島第一原子力発電所の事故後
脱原発について深く考えなければならないと思いました。

それまで漠然と「原子力発電をやめなければ」と思っていましたが
この事故後、果たして本当に原子力発電に頼らない日本社会、
日本経済が可能かどうかを考えました。

原発については賛否両論あり、現実的に原発がないと
日本の工場が成り立たないのではないか。
工場が稼働しなければ日本経済は、日本人の雇用は
どうなるのだろうと思いました。

しかし、本書を読んで、そんなものは
原子力発電の危険性の前には小さな問題だと感じられました。

まず、コストの問題。
原発は安いというのは、思い込みでしかない。
実際に大島堅一氏が「脱原発の経済学」で
そのコストを算定し直しています。

また、エネルギー政策を新しいエネルギー源――
多くは自然エネルギーへのシフトは
やるかやらないかの問題であること。

その新しい自然エネルギー下の日本は
やや電力が小さいので
少しずつみんなが節電を意識するようになります。
そのためには時間帯で電気料金を高下していく。

なによりも産業用電力の料金体系の見直しです。
これは節電の時に知りましたが
多く使えば電気料金が下がる、
というおかしな料金体系であることが
いちばんの問題でしょう。
コストカットをしていない企業はないのですから
これによって電気をムダに使うことになります。

そして、脱原発のいちばんの問題は
利権や政治絡みの問題で、一筋縄にはいかないこと。

これは国民の声で変えていくしかない。
政治家は自分の特権にしがみつく。
それを特権として認識させないのは
国民の意見は脱原発が大半で、脱原発を唱えなければ当選しない
というところまで追い込むしかないでしょう。

このフクシマの事故後、日本は変わるチャンスです。
小出裕章氏が「少欲知足のすすめ」と提言されていますが
小さなエネルギーでまかなう社会をつくること。
もう高度経済成長期の日本はありえない。
その幻想から離れること。

事故があってもなくても、日本企業はアジアや世界へ目を向けて
グローバルに活躍しなければ立ちいかないところまで
きていたのです。

これからは小さな日本の社会と政治
そしてグローバルな経済社会を目指していくべきだと
本書を読んで強く思いました。

bard_happybird.gif 目次
メルトダウン後の世界を結い直す――まえがきに代えて 
大江正章

<提言01> 昔、原発というものがあった 
池澤夏樹(作家・詩人) 

<提言02> 7世代後のことまで考えて決めよう
坂本龍一(音楽家) 

<提言03> 脱原発にはリアリティがある
池上彰(ジャーナリスト)   

<提言04> 千年先に伝えなくては
日比野克彦(アーティスト)  

<提言05> 少欲知足のすすめ
小出裕章(京都大学原子炉実験所)  

<提言06> シビアアクシデントは不可避である
後藤政志(元原子炉格納容器設計者)  

<提言07> 問われる放射線専門家の社会的責任
崎山比早子(高木学校)  

<提言08> 地域分散型の自然エネルギー革命
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)  

<提言09> 電力需要は大幅に減らせる 
田中優(環境活動家・未来バンク事業組合理事長) 

<提言10> 脱原発の経済学
大島堅一(立命館大学教授)  

<提言11> 政治は脱原発を実現できるか
篠原孝(農林水産副大臣)  

<提言12> 脱原発はもはや政治的テーマではない 
保坂展人(世田谷区区長) 

<提言13> 原発に頼らない安心できる社会をつくろう
吉原毅(城南信用金庫理事長)  

<提言14> 3・11と8・15――民主主義と自治への道
上野千鶴子(社会学者・元東京大学教授) 

<提言15> 被災者の救済と脱原発の確実な推進を
宇都宮健児(日本弁護士連合会会長)  

<提言16> 原発と有機農業は共存できない
星寛治(有機農業者・詩人)  

<提言17> 次代のために里山の再生を
菅野正寿(有機農業者・福島県有機農業ネットワーク代表)

<提言18> 天国はいらない、故郷を与えよ
明峯哲夫(農業生物学研究室)  

<提言19> 真の豊かさに気づくことから脱原発≠ヘ始まる
秋山豊寛(ジャーナリスト・宇宙飛行士)  

<提言20> 引き裂かれた関係の修復――原発を止めるためのムラとマチの連携を
高橋巌(日本大学准教授)  

<提言21> 誰かのせいにせずに――排除の論理から共生へ
渥美京子(ルポライター)  

<提言22> 効率優先社会からの決別 
藤田和芳(大地を守る会代表) 

<提言23> 抑圧的「空気」からの脱却 
上田紀行(文化人類学者) 

<提言24> いのちのつながりに連なる 
纐纈あや(映画監督) 

<提言25> 自然への畏れ――「東電フクシマ」からの脱却へ
大石芳野(写真家)  

<提言26> 脱原発は人生の軸を変えるチャンス
仙川環(作家)  

<提言27> 私が雨を嫌いになったわけ
鈴木耕(編集者・ライター)  

<提言28> 脱原発と監視社会
斎藤貴男(フリージャーナリスト)  

<提言29> 原子力とマスメディア 
瀬川至朗(元毎日新聞論説委員) 

<提言30> 原子力の軍事利用も平和利用も民衆の生活を破壊する 
中村尚司(JIPPO専務理事)

想像力の翼を手に入れよう−−あとがきに代えて 
瀧井宏臣

楽天ブックスの『脱原発社会を創る30人の提言』へ
『脱原発社会を創る30人の提言』
池澤夏樹・坂本龍一・池上彰など
★★★★★
矢印オレンジ Amazon.co.jpの詳細ページ
矢印グリーン 楽天Booksの詳細ページ




にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ ← ランクアップがモチベーションアップです!



ラベル:脱原発
posted by かつき at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。