2011年04月11日

『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』 佐々木俊尚

Web上で起きている新しい現象のルポでおなじみの著者による
マスコミの終焉とパーソナルキュレーションの時代の到来を
解説しています。

キュレーションというと、美術館の「キュレーター」の役割を
思いますが、その通りで、本書では「キュレーション」を
無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。

ととらえています。

ツイッターやフェイスブックといったソーシャルメディアは
よく「繋がり」を求めている人が集うと言われます。
その繋がり合う人々の価値観や行動原理がわかりやすい。

この頃の20代、30代の人の行動を見ていると
とても地に足のついた人が多いと思うのです。

等身大の、自分のやりたい店や事を仕事とし
プライベートも自分らしく時間を上手に使っています。

例えば、天然酵母のパン屋さんなど、
週に3日とか4日しか開けずに
売上高よりも自分のやりたいことで
自分が食べていければいいというスタイル。

上昇志向がない分、小さくまとまるばかりと
批判する人もいますが
私はとても堅実な気がします。
等身大の生き方をしているな、と思っていました。
でも、やっぱり旧世代は不可解なこともあります。

そんな彼らが求めているのは、自分と価値観を共有する
お客様との出会いや繋がりなのだと
ようやく理解することができました。

私も同じパンを買うのなら、天然酵母で丁寧に、
そして安全で、おいしいパンを買いたい。
お店の人がいい人であれば通います。
そして、お店やその主人との繋がりを求めてもいます。
自分のことを「顧客」として認識してほしい。

そんな繋がりが新しいソーシャルメディアを通して
さまざまな現象を引き起こしていることを解説しています。

本書ではさまざまな例が出ているのですが
個人として、ソーシャルメディアを使いながら
どうやって他者と繋がっていくのか。

そして企業としてソーシャルメディアを使う際に
今までの価値観――大衆全部を取り込む――という手法は
通用しなくなっているということを前提に
使いこなさなければならない、という警告です。

著者の佐々木さんと私は、消費をする際の価値観が似ている――
誰かが持っているから自分も持つ、
今流行っているから自分も参加する、という行動は
決して取らないタイプだと思うので
そういう点ではとても共感できるのですが
世の中はまだ「記号消費」「みんなが持っているから」という
消費欲のほうが大きい。

しかし、そうではない価値観を共有する人と結びつくのが
とても困難だった、Webのない時代ではなく
時間や空間を飛び越えて繋がれる時代に
この価値観の共有は大きいと思いました。

価値観マイノリティ(笑)には勇気の出る本です。


bard_happybird.gif 本書でチェックしたところ
「情報を求める人が存在している場所」を、本書ではビオトーブと呼ぶことにしましょう。

「大きなビジネスにならない」
と広告業界人やマスメディア業界人が不満を持つのは買ってですが、もう大きなビジネスなど存在しないのが、二十一世紀の情報流通の真実なのです。

社会との関係は接続と承認が中心になり、その接続・承認を補強するための手段として、いまやモノは買われているということなのです

私たちは情報そのものの真贋をみきわめることはほとんど不可能だけれども、その情報を流している人の信頼度はある程度はおしはかることができるようになってきているのです。

この「視座」を提供する人は今、英語圏のウェブの世界では「キュレーター」と呼ばれるようになっています

一次情報を発信することよりも、その情報が持つ意味、その情報が持つ可能性、その情報が持つ「あなただけにとっての価値」、そういうコンテキストを付与できる存在の方が重要性を増してきているということなのです。



bard_happybird.gif 目次
プロローグ ジョゼフ・ヨアキムの物語
第1章 無数のビオトープが生まれている
第2章 背伸び記号消費の終焉
第3章 「視座にチェックインする」という新たなパラダイム
第4章 キュレーションの時代
第5章 私たちはグローバルな世界とつながっていく


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posted by かつき at 08:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 時代を読む | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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