2009年12月05日

『孤闘』 上田秀人

本書は時代小説ですが、このような出世、裏切り、
孤独を読んでおくのも悪くないと思います。

戦国末期、大友氏の一族でありながら
豊臣秀吉が天下統一を果たした時、
「東の本多忠勝(平八郎)、西の立花宗茂(統虎)」と言わしめ、
未曾有の出世をし、
さらに徳川家康の天下となり、一度は改易させられたものの、
後に大名として復帰した唯一人の戦国武将が立花宗茂。

二人の天下人に愛された武将は機を見るに敏、
知と力を兼ね備えた人物を想像しますが、
本書では孤独な運命に耐え続けた人物として描かれます。

大友宗麟の時代に、その小藩高橋藩の嫡男として生まれながら
隣の立花藩に婿入り。それも戦略のひとつでした。
嫁のぎん千代は気位が高く、心も身も通じることはなく、
舅の道雪は下半身不随ながら、生涯40戦負けなしの知将。

二人から疎まれ、蔑まれ、
立花藩の古参の侍たちを束ねなければならない
統虎(むねとら)はまだ15歳でした。

衰退していく大友家に翻弄され、
豊臣秀吉の軍におびえつつも、それを利用し、
さらに朝鮮出兵、敗戦、そして関ヶ原の戦いと
戦は続いていきます。
小藩だった立花は順調に出世していきますが
常にギリギリの戦いを強いられます。

朝鮮から引き揚げた統虎(宗虎)を著者はこのように描きます。
「考えてみれば、宗虎はいつも流されてきた。ぎん千代の婿になったのも、立花城主として島津と戦ったのも、宗虎の意思ではなかった。
 柳川へ移されたのも、朝鮮へ渡海したことも、違った。
 宗虎は一度たりとも望んで戦ったことなどなかった」

それは現代にも通じる述懐ではないでしょうか。
常に流されるように、人生に起こる出来事に対処するだけで
実は人間は手一杯で、そのなかでベターな方法を選択し、
進み続けるしかないのかもしれません。

選択に自分の意思はどこまで含まれているのでしょう。

流されてもなお、自分の力を精一杯に発揮した宗茂が
幸せな晩年をおくったことが、なにか現代の人をも救うように思えます。


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上田秀人
☆☆☆☆
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posted by かつき at 12:22| Comment(0) | TrackBack(0) | お仕事小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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